2009年5月24日日曜日

カバン(ビジネスバッグ) 6.縫い目

最後に「6.縫い目」について触れておきます。

今回は、ホント、縫うところが多かったです。やはりバッグだけあって、面積も広いですし、また部品数的にも縫いのポイントは多かったです。また、革が重なる縫い面の部分については、部分漉きはするんですが、それでも厚い!

縫いには時間も苦労もかかりますが、何もしなければバラバラとなってしまいそうな厚い重なり合いを、ギュっと少しづつ引き締めて縫うことによってガッチリと固定されていくという、今回は手縫いの醍醐味(?)のような実感がありそうな縫いでした。(笑)

縫い終わった後に、キレイに揃った縫い目を見てると自己満足です!!(笑)



カバン(ビジネスバッグ) 5.中パーツ

「5.中パーツ」を紹介します。

床面(革の裏側)は、いつもは床面の処理(処理剤(トコノールとか)を使ってスベスベにする)をすることが多いですが、今回はオリーブ色の布を張っています。布を張ることによって、中の品質感が出た感じがします。



1mm厚のオイルレザー(茶)革を張り、サブポケットを2つ、中につけました。

カバン(ビジネスバッグ) 4.持ち手部分

「4.持ち手部分」を紹介します。
このあたりも全て手製です。心材には、床革(吟面(表革)を持たない下地的な革)を巻いたものを入れています。一般的には、この心材には、ロープのような太めの紐が使われることが多いのですが、高級バッグの中には、同じく、革を丸めて心材として入れているものがあるそうです。ロープよりもコシがあり、握ったときに柔軟なやわらかさもあります。
少し使ってみましたが、感触的にも持ち手にコシがあって安定感があります。



持ち手は握りやすくするため、少し太めに作りました。

カバン(ビジネスバッグ) 3.サイドイメージ

「3.サイドイメージ」を紹介します。

このあたりも全て手縫いです。かなり長いファスナーがあったので、このような全開タイプのバッグにしようと行き着きました。
(「材料ありき」なカバンです。(笑))



ファスナ終端の底革との縫い目は、赤と青の麻糸にて、少々こじゃれてみました。

カバン(ビジネスバッグ) 2.裏側イメージ

「2.裏側イメージ」を紹介します。
以前のログでも書いていたカービング部分ですが、バッグとしては裏側にもってきました。

とは言いつつ、どっちが表、裏とかはないんですが、表はスティングレイの存在が強いので、カービング側は裏ということにしました。が、実は、裏もゴッツイカービングが入ってますよっ!!といったところです。







カバン(ビジネスバッグ) 1.表側イメージ

カバン(ビジネスバッグ)が出来上がりました。
出来上がったものを以下の段階的にご紹介します。
1.表側イメージ
2.裏側イメージ
3.サイドイメージ
4.持ち手部分
5.中パーツ
6.縫い目

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先ずは、「1.表側イメージ」から。

真正面から見たイメージです。
真ん中には、スティングレイ(エイ革)を配置しました。
天眼(スターマーク)が何とも!!印象的で目立ちます。ずっとこの構想は頭にあったので、やっとできた!という感じです。

回りの「かがり」はダブルステッチにしました。こういったバッグ系ではあまりダブルステッチものはないように思います。ナチュラル色のレースの網目模様が濃い目の革にうまくマッチしているように思います。



斜め上から見たイメージです。



スティングレイを拡大したところ。存在感が違います。やはりスティングレイを使って正解でした。(笑)

ビジネスバッグ (カービングと染め)

しばらくブログを更新していませんでしたが、ずっと会社へ持っていくカバンを作っておりました。

会社帰り、某有名、百貨店に寄り、本革のブランドのビジネスバッグを見にいったりして、いろいろと参考にさせてももらいました。

本革はやはり高くて、いいなと思ったものは、10万近くしてました(*o*)。
にも関わらず、自分はディスプレイの品をあちこち、ペタペタと触りまくり、中の方をチェックしたり、でも高いものをいたずらに触っているだけの怪しい客とも思われたくなく、店員には、一応、「買うかもよ~」みないな素振りをみせつつ、それとなく「なるほどねぇ・・・!」と思うところが一杯でした。(買わないのにネ。≧▽≦)
でも、やはり値段だけあって、とても良い品で、マジ欲しくなりそうだったので、程々にしつつ売り場を立ち去りました。

とてもそこまでの完成度には辿り着けないとは思うものの、やはり、作るなら革そのものにもこだわったものをと思い、今回使用した革は、革の取引でも上質とされる、「ハーマンオーク・ハーネスレザー」という革を使いました。
ハーマンオーク社(アメリカ)の最高級ランクの革で、コシがあって、獣脂が多く含まれてるので、良質のツヤがあり、手触り感でも少ししっとり感がある感じです。またその分少し重みがあります。

...と、まあそんなこんなで、
この革を入手して、カービングを入れていました。

カービングを入れた後は、拭き染めで、中心から外側にかけてダークに階層をつけた感じで色を入れてみました。ちょっと今までのアンティーク染めとは違って渋い感じで良いかもしれません。

染料:ローパスバチック:黒、紺



先日、購入したバリーキング刻印で打ち込んだものです。(過去のログ参照)
革の質にも拠りますが、こんなキレイに入りました。(満足(^o^))

バリーキングを買いました

前々から欲しかったバリーキング刻印を買いました。

自分にとっては一つ一つが高いので、なかなか手が出せない代物だったんすが...。

バスケット(右側)とボーダ(左側)で合わせて、1万軽く超えます...(*o*)!!。
この2本で何でっ!?てところかも知れませんが、職人用に追求されたものは、そんなものかもしれないですね。汗



使ってみると、やはり噂通り、かなりキレイに、かつ楽に入ります。
(楽に入る=>確実にキレイに仕上がる)ってことで、安心して使えるものだと思いました。
思い切って買って、間違いのないもので良かった。(笑)



工具は並べると、見た目にもキレイで自己満足です。(笑)
道具がキレイに手入れされているか、かつ機能的な姿になっているか、で、それが最終的に結果に繋がる....かも??と思い、そんなことを心がけたいと思っている今日この頃です。